結論
当日は結納品を飾る → 入室 → 挨拶 → 品を納める → 目録を改めて受書を返す → 結びの挨拶 → 祝い膳という順で進みます。 儀式そのものは20分ほどで終わります。
進行役は男性側の父親が務め、父親が不在の場合は母親が代わります。 口上は決まった言い回しをそのまま述べれば足りますので、 紙に書いて手元に置いても差し支えありません。
当日の全体の流れ
結納の当日を思い浮かべようとしても、 何時に集まって何をどのくらいの時間するのかが見えないため、 予定を組むことも、遠方の親族に伝えることもできないまま日が近づきます。
予定を組むうえで押さえておきたいのは儀式と食事がまったく別の時間だという点で、 決まった手順を踏んで品を受け渡すのは最初の20分ほどにすぎず、 残りの時間はすべて両家が食卓を囲む祝い膳にあてられますので、 当日の大半は改まった席ではなく、ふつうの会食として過ぎていきます。
| 順 | 当日にすること |
|---|---|
| 1|結納品を飾る | 両家が別々に入室し、上座に品を並べます |
| 2|入室と着席 | 男性側が先に入り、続いて女性側が入って席に着きます |
| 3|始まりの挨拶 | 男性側の父親が、進行役として口上を述べます |
| 4|結納品を納める | 男性側の母親が品を運び、父親が口上を述べます |
| 5|目録と受書 | 女性本人が目録を改め、母親が受書を渡します |
| 6|結びの挨拶 | 男性側の父親が締め、女性側の父親が返します |
| 7|祝い膳 | 桜湯を飲み、そのまま食事の席へ移ります |
儀式そのものは20分ほどで終わります。手順が七つに分かれていると長く感じますが、一つひとつは品を運び、口上を述べ、頭を下げるという短い動きの繰り返しですので、実際には食事の時間のほうがはるかに長くなります。会場を押さえるときは、2時間から3時間を見ておけば足ります(最終確認:2026年8月)。
関東式のように両家が品を交わす場合は、 4と5をもう一度、向きを入れ替えて繰り返す形になりますので、 手順は九つに増えますが、時間としては十分ほど延びるだけです。
集合の時刻は、飾り付けの時間を見込んで開始の30分前にしておくと余裕が出ます。 会場の結納プランを使えば飾り付けは任せられますが、 自宅で行うなら台を置いて品を並べるだけで十分な時間がかかりますし、 両家が鉢合わせしないよう入室の順も調整することになります。
結納品を飾る
当日でいちばん最初につまずくのが飾り付けで、 どこに何をどう並べるのかが分からないまま品を持ち込み、 畳の上に置いたまま迷うということが起こります。
置く場所の決め方には基準があって、その部屋の上座に置くという一点で足ります。 和室であれば床の間の前、洋室であれば入口から最も遠い側という順で、 席次と同じ考え方が使われます。
| 場所 | 飾り方 |
|---|---|
| 和室で行う | 床の間の前か、上座にあたる場所へ台ごと置きます |
| 洋室で行う | 上座にテーブルを置き、毛せんを敷いて並べます |
| 女性の自宅 | 男性側が出向き、到着後に飾り付けます |
| 料亭やホテル | 両家が別々に入室し、相手の準備中は別室で待ちます |
| 結納プランを使う | 飾り付けまで会場が引き受けてくれます |
| 受書の置き場所 | 両家の母親の手元に置いておきます |
関東式で両家が品を交わす場合は、男性側が到着する前に女性側も飾り終えておきます。相手の目の前で自分の品を並べる形になると、儀式が始まる前に中身が見えてしまいますし、飾る手つきに目が集まって落ち着きません。会場を使うなら、別室を一つ用意してもらうと両家とも支度が楽になります(最終確認:2026年8月)。
自宅で行う場合に見落としがちなのが、品を運ぶ手段です。 結納品は台ごと運ぶことになりますので、風呂敷で包んでも両手がふさがりますし、 公共交通機関では持ち歩きにくい大きさになります。
車で運ぶのであれば後部座席に平らに置ける広さが要りますし、 飾りが倒れないよう箱ごと固定する必要もあります。 配送で先に届けておく手もありますので、 買う段階で運び方まで店に相談しておくと当日が軽くなります。
入室と席次
飾り付けが終わって席に着く段になると、 どちらの家が上座なのか、家族の中でどの順に並ぶのかが分からず、 全員が立ったまま譲り合うという場面が生まれます。
席次の決まりは二段階になっていて、両家のどちらが上座に着くかという点と、 同じ側に並ぶ三人をどの順にするかという点が別々に定められていますので、 二つをまとめて考えようとせず、上座から順に一つずつ当てはめていくほうが早く決まります。
| 項目 | 席次 |
|---|---|
| 両家の位置 | 男性側が上座、女性側が下座に着きます |
| 入室の順 | 男性側が先に入り、続いて女性側が入ります |
| 同じ側の並び | 上座から本人・父親・母親の順に着きます |
| 家長で受ける場合 | 父親・母親・本人の順になる家もあります |
| 仲人を立てる場合 | 仲人夫妻が最も上座に着きます |
| 確かめる時期 | 並び順は、前日までに両家で合わせておきます |
席の並びは、事前に確かめておかないと当日その場で崩れます。上座から本人・父親・母親の順とするのが一般的ですが、家長である父同士で品を受け渡す形をとる家では、父・母・本人の順になります。男性側が上座に着くという点は共通していますので、迷うのは同じ側の中の並びだけです(最終確認:2026年8月)。
並び順が家によって変わるのは、結納を誰と誰の取り決めと見るかが違うためで、 本人同士の婚約と考える家では本人が上座に着きますが、 家と家の取り決めと考える家では父親が上座に立ちます。
当日その場で並びを決めようとすると、 どちらの家の考えを通すかという話になってしまいます。 前日までに二人が両家へ確かめて、同じ形に合わせておけば、 席に着くところで止まることはありません。
品を納めて受書を返す
儀式の中心にあたるのがこの場面ですが、 誰が立って誰が座ったままなのかという動きが文章では追いにくく、 本番で自分の番を取り逃がすことになります。
実際に動く人は限られていて、品を運ぶのは母親、口上を述べるのは父親、 目録を開いて改めるのは本人という三つの役にきれいに分かれていますので、 全体の手順をそらんじる必要はなく、自分に割り当てられた役の順番だけ覚えておけば足ります。
| 動き | 誰が何をするか |
|---|---|
| 品を運ぶ | 男性側の母親が、相手の本人の前まで運んで一礼します |
| 口上を述べる | 母親が席へ戻ったあと、男性側の父親が述べて深く一礼します |
| 目録を改める | 女性本人が開いて目を通し、両親も順に見ます |
| 受け取りの言葉 | 女性本人が「幾久しくお受けいたします」と述べます |
| 品を移す | 女性側の母親が、受け取った品を飾り台へ運びます |
| 受書を渡す | 女性側の母親が、男性本人へ渡して一礼します |
母親が二度立つことになりますので、動きやすい服装にしておいてください。品を運び、受け取った品を飾り台へ移すという往復がありますし、和装であれば裾さばきにも気を配ることになります。着物を選ぶなら、立ち座りのしやすい帯結びにしておくと当日の負担が減ります(最終確認:2026年8月)。
関東式では、この一連の動きを今度は女性側から男性側へ繰り返します。 運ぶのは女性側の母親、口上を述べるのは女性側の父親、 目録を改めるのは男性本人という具合に、役がそのまま入れ替わる形です。
間違えやすいのが受書を渡す相手で、 父親ではなく相手側の本人に渡します。 結納品が相手の本人あてに納められたものである以上、 受け取ったという返しも本人から本人へ向かうという形になっています。
口上の言い方
当日でいちばん緊張するのが口上で、 覚えられる自信がないという理由から、 父親が進行役を引き受けたがらないという話も実際に出てきます。
実際に述べる言葉は短く、使う語も両家で共通していますので、 覚える量そのものは多くありません。 幾久しくという一語さえ知っていれば、残りは普通の挨拶で通ります。
| 場面 | そのまま使える言葉 |
|---|---|
| 始まりの挨拶 | 「このたびは、素晴らしいご縁を頂戴いたしまして、ありがとうございます」 |
| 続けて | 「本日はお日柄もよろしく、これより結納の儀を執り行わせていただきます」 |
| 品を納めるとき | 「そちらは○○家からの結納の品でございます。幾久しくお納めください」 |
| 受け取るとき | 「ありがとうございます。幾久しくお受けいたします」 |
| 結びの挨拶 | 「以上をもちまして結納の儀、めでたく相整いました」 |
| 返しの言葉 | 「本日は誠におめでとうございます。今後とも末永くよろしくお願いいたします」 |
口上は決まった言い回しをそのまま読めば足ります。「幾久しく」は末永くという意味で、納める側も受ける側もこの一語を使うため、二人分の台詞を覚える必要がありません。紙に書いて手元に置いておいても失礼にはあたりませんし、言い直すより一度で通したほうが場が締まります(最終確認:2026年8月)。
幾久しくは末永くという意味にあたる言葉で、 納める側の「幾久しくお納めください」と受ける側の「幾久しくお受けいたします」に 同じ語が入っていますので、両家がそれぞれ別の台詞を覚え込む必要はありませんし、 片方が言い違えても、もう一方の言葉がその意味を補ってくれます。
進行役を務める父親が不在の場合は母親が代わって述べますし、 父親が緊張して言葉に詰まったときは、そのまま少し待てば足ります。 言い直しながら進めるより一度で通したほうが場が締まりますので、 前日に一度、声に出して読んでおいてください。
結びの挨拶と祝い膳
品の受け渡しが済んだところで、 どこで儀式が終わったことになるのかが分からないまま、 全員が次の合図を待って黙ってしまうという間ができます。
終わりを告げるのも進行役の役目にあたり、男性側の父親が結びの言葉を述べ、 それを受けて女性側の父親が祝いの言葉を返すという一往復で儀式は閉じますので、 その言葉が交わされた時点から先は、改まった席ではなく食事の場に切り替わります。
| 場面 | 進め方 |
|---|---|
| 結びの言葉 | 男性側の父親が、儀式が整ったことを告げます |
| 返しの言葉 | 女性側の父親が、祝いの言葉を返します |
| 桜湯を飲む | 全員でいただき、関西では昆布茶を用いる地域もあります |
| 写真を撮る | 結納品を背にして、両家そろって撮ることが多くあります |
| 祝い膳 | そのまま食事の席へ移り、両家の親睦にあてます |
| 婚約記念品 | 指輪などを交換する場合は、この場でお披露目します |
写真は儀式が済んだ直後に撮っておくと、いちばん形が整っています。結納品が飾られたまま、全員が正装で並んでいる状態は、その日のうちにこの時間しかありませんし、食事が始まると卓の上が写り込みます。会場に頼めば撮ってもらえますので、進行の中に組み込んでおいてください(最終確認:2026年8月)。
桜湯を飲むのは祝いの席で茶を用いないという考え方によるもので、 お茶を濁すという言葉を避ける意味も添えられています。 関西では昆布茶を用いる地域もあり、どちらも同じ位置づけになります。
祝い膳に移ったあとは、決まった順も進行役もありません。 両家が初めて顔を合わせる場合は本人たちが話をつなぐ形になりますし、 すでに顔合わせを済ませているなら、親同士で話が進むこともあります。 儀式が済んだところで肩の力を抜いて構いません。
誰が何をするのか
当日の役割は人によって偏っていて、 ずっと座っているだけの人と、二度立って運ぶ人に分かれますので、 自分の出番を知らないまま席に着くと落ち着きません。
役を分けているのは納める側か受ける側かという立場で、 同じ母親でも納める側なら品を運びますし、 受ける側なら受書を渡す役に回ります。
| 人 | 役割 |
|---|---|
| 男性側の父親 | 進行役として、始まりと結びと納めの口上を述べます |
| 男性側の母親 | 結納品を運び、受け取った品を飾り台へ移します |
| 男性本人 | 受書を受け取り、関東式では目録を改めます |
| 女性側の父親 | 結びの返しの言葉を述べ、関東式では納めの口上も述べます |
| 女性側の母親 | 受け取った品を飾り台へ移し、受書を渡します |
| 女性本人 | 目録を改め、受け取りの言葉を述べます |
役割は前日までに口に出して確かめておいてください。紙で配っても当日に読み返す余裕はありませんし、自分の番が来ていることに気づかないまま数秒が過ぎると、その場の全員が止まります。誰が立ち、誰が話すかを順に声に出しておくだけで、当日の動きがそろいます(最終確認:2026年8月)。
仲人を立てる場合は、進行と口上をすべて仲人が引き受けますので、 両家の父親の負担は大きく減りますが、 その代わりに仲人へ依頼する手間と謝礼が要ることになります。
いま行われている結納のほとんどが仲人を立てない略式ですので、 父親が進行役に立つ形を前提に準備しておくほうが実際的です。 不安が残るのであれば、会場の担当者に進行を手伝ってもらう形もありますので、 結納プランを申し込むときに相談してみてください。
当日の服装を見る結納の進行に唯一の正解があるわけではなく、 席次の並びも品の交わし方も、地域と家の考え方によって形を変えてきましたし、 両家が納得した順で進めればそれで整います。 台本どおりでなかったことを、あとから気に病む必要はありません。
どの場面でも変わらないのは、前日までに役割を声に出して確かめるという一点で、 誰が立ち、誰が話し、誰が受け取るかがそろっていれば、 口上を少し言い違えたところで儀式は滞りなく進みます。 当日に判断する場面をなくしておくことが、結納の準備そのものにあたります。
結納が終わったあとにすることを見るよくある質問
結納はどれくらい時間がかかりますか?
儀式そのものは20分ほどで終わります。そのあと祝い膳に移りますので、会場を押さえるときは2時間から3時間を見ておいてください。
進行役は誰が務めますか?
男性側の父親が務めます。父親が不在の場合は母親が代わります。仲人を立てる場合は仲人が進行と口上を引き受けます。
席次はどう並びますか?
男性側が上座、女性側が下座に着きます。同じ側の中では上座から本人・父親・母親の順ですが、家長で受ける家では父親・母親・本人の順になりますので、前日までに合わせておいてください。
口上は何と言えばいいですか?
納めるときは「そちらは○○家からの結納の品でございます。幾久しくお納めください」、受けるときは「ありがとうございます。幾久しくお受けいたします」です。
口上を紙に書いて読んでもいいですか?
差し支えありません。言い直しながら進めるより一度で通したほうが場が締まりますので、不安があれば手元に置いてください。
受書は誰に渡しますか?
相手側の本人に渡します。渡すのは受け取った側の母親です。結納品が本人あてに納められたものですので、返しも本人へ向かいます。
桜湯を飲むのはなぜですか?
祝いの席でお茶を用いないという考え方によるもので、お茶を濁すという言葉を避ける意味も添えられています。関西では昆布茶を用いる地域もあります。
まとめ
- 儀式は20分ほどで終わり、そのあと祝い膳に移ります
- 進行役は男性側の父親が務めます
- 席次は男性側が上座で、同じ側は本人から並びます
- 口上は「幾久しく」の一語で両方に通じます
参考情報
- ゼクシィ「「結納」、誰が何する?準備〜当日の流れまるわかり!【保存版】」(ホテル椿山荘東京 婚礼コーディネーター 八木みゆき氏監修)
https://zexy.net/article/app002106017/ - みんなのウェディング「結納とは?顔合わせとの違い、費用、当日の流れをわかりやすく解説」
https://www.mwed.jp/articles/11260/ - ゼクシィ「116人に調査【最近の結納事情】費用から結納返しまで今どきの傾向を解説!」(データはゼクシィ結婚トレンド調査2024 全国推計値/2025年6月マクロミル会員110人調査/2025年7月時点)
https://zexy.net/article/app000000050/
本記事で紹介している金額や作法は一般的な目安です。結納は地域と家によるしきたりの差がとりわけ大きい行事ですので、両家の親の考えを先に聞いてください。本記事の内容と食い違う場合は、親から聞いた形に合わせるほうが角が立ちません。