結論
手土産に決まりはありませんが、用意しておくほうが場が和みます。 相場は3,000円から5,000円程度で、 日持ちのする菓子や地元の特産品が選ばれています。
大切なのは品そのものより両家で金額の格をそろえることで、 片方だけが高価な品を出すと受け取った側が気を遣いますので、 二人が間に入って目安を合わせておいてください。
手土産は必要なのか
結納の準備をひととおり進めたところで、 手土産まで要るのだろうかという疑問が最後に残り、 結納品を渡すのに別の品も持っていくのは重複ではないかと考えてしまいます。
結納品と手土産は別の役割を持っていて、 結納品が儀式の中で受け渡される品であるのに対し、 手土産は相手の家や親への心遣いを表すものにあたります。
| 項目 | 結納品と手土産の違い |
|---|---|
| 結納品 | 儀式の中で、決まった口上とともに納めます |
| 手土産 | 儀式の前に、挨拶の場で手渡します |
| 贈る相手 | 結納品は相手の本人へ、手土産は相手の家へ向かいます |
| 決まりの有無 | 結納品には形式があり、手土産にはありません |
| 用意する側 | 手土産は両家がそれぞれ用意します |
| 省いた場合 | 失礼にはあたりませんが、用意する家がほとんどです |
手土産に決まりはありませんが、用意しておくほうが場が和みます。相場は3,000円から5,000円程度とされ、日持ちのする菓子や地元の特産品が選ばれます。大切なのは金額そのものより両家の釣り合いで、片方だけが高価な品を出すと受け取った側が気を遣いますので、二人が間に入って金額の目安をそろえておいてください(最終確認:2026年8月)。
自宅で行う場合はとくに手土産の意味がはっきりしていて、 家に上げてもらう側から迎える側へという向きになりますので、 手ぶらで玄関に立つのは落ち着きません。
料亭やホテルで行う場合も、両家がそれぞれ用意する形が一般的です。 どちらの家が迎える側にあたるかがはっきりしませんので、 互いに持ち寄って交換するという形になり、 片方だけが持ってきていない状態を作らないことが要点になります。
金額の目安とそろえ方
手土産を用意すると決めたところで、 いくらのものを選べばよいのかが分からず、 結納金の額に引きずられて高いものを探し始めてしまいます。
手土産の額は結納金とは連動せず、 訪問のときの手土産と同じ範囲に収まりますので、 改まった場だからといって桁を上げる必要はありません。
| 項目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 相場 | 3,000円から5,000円程度が目安になります |
| 上限の考え方 | 相手が気を遣う額まで上げないほうが収まります |
| 両家でそろえる | 金額の目安を先に合わせ、差を作らないようにします |
| 結納金との関係 | 連動しませんので、額に引きずられないようにします |
| 自宅を訪ねる場合 | 迎える側より、上がる側が少し丁寧にしておきます |
| そろえ方 | 二人が間に入り、目安の額を両家へ伝えます |
金額をそろえるといっても、同じ額にする必要はありません。3,000円と5,000円であれば並んでも差は目立ちませんが、3,000円と1万円では受け取った側が気を遣いますし、次に会うときまで引っかかりが残ります。おおよその幅だけを合わせておけば足りますので、品目まで打ち合わせないでください(最終確認:2026年8月)。
金額をそろえる相談は、服装の相談と一緒に済ませると手間が減ります。 どちらも当日の格に関わる話ですし、 二人がそれぞれの親へ伝える形になるという点も同じです。
切り出し方は服装のときと同じで、自分の家の予定を先に言うのが早く進みます。 三千円くらいの菓子を用意する予定だと伝えれば、 相手側はそれに合わせるだけで済みますので、 いくらにしますかと尋ねるより、話が一往復で終わります。
何を選ぶか
金額が決まっても、その額で何を買うのかという段でまた止まり、 結納にふさわしい品という条件が曖昧なまま、 売り場を歩き回ることになります。
選ぶ基準になるのは味や見た目より持ち帰りやすさと日持ちのほうで、 当日は結納品を運ぶ荷物が別にありますし、 受け取った側もその場で開けるわけではなく祝い膳のあいだ預けたままになりますので、 常温で置けて数日もつ品のほうが、渡す側にも受け取る側にも扱いやすくなります。
| 品 | 選ばれ方 |
|---|---|
| 日持ちのする菓子 | 焼き菓子や羊羹が、最も選ばれています |
| 地元の特産品 | 土地の話が生まれ、その場の話題にもなります |
| 縁起のよい品 | 紅白の菓子や鶴亀の意匠が、場に合います |
| 個包装のもの | 分けやすく、家族の人数が違っても困りません |
| 季節のもの | 時季の話が添えられ、選んだ理由も伝えやすくなります |
| 避けたい形 | 要冷蔵や大きすぎる品は、持ち帰りに困ります |
要冷蔵の品は、この場面では選ばないほうが無難です。結納のあとには祝い膳が続きますので、受け取ってから家に着くまで数時間かかりますし、会場に預けても冷蔵庫が空いているとは限りません。常温で持ち帰れて、数日置ける品を選ぶだけで、渡す側も受け取る側も気を遣わずに済みます(最終確認:2026年8月)。
地元の特産品が選ばれるのは、その場の話題になるという利点があるためです。 両家が離れた土地の出身であれば、 品を渡しながら土地の話が始まりますので、会話の入り口として働きます。
買う場所については、百貨店の菓子売り場が最も選びやすくなります。 のしを掛けてもらえますし、包装も改まった形になりますので、 品そのものを選ぶことに集中できますし、 その場で相手の家族の人数を伝えれば量も相談できます。
避けておきたい品
選ぶ基準が分かってくると今度は逆側が気になり始めて、 縁起の悪い品を選んでいないかという不安から、 決めかけた品を戻すということが起こります。
困るのは、避けるとされる品の一覧に根拠の強さがまるで違うものが同じ並びで載っているためで、 どれも等しく駄目なのだと受け取ってしまうと選べる範囲が必要以上に狭まりますし、 結局どれを買っても落ち着かないという状態のまま売り場を出ることになります。
| 品 | 扱い |
|---|---|
| 刃物 | 縁が切れるという語呂から、婚礼では外しておきます |
| ハンカチ | 手切れに通じるという言い伝えが残っています |
| 要冷蔵の品 | 持ち帰りに困るため、実際の理由から外します |
| 大きすぎる品 | 持ち帰る手がふさがるため、実際の理由から外します |
| 日本茶 | 弔事を連想する方がいるため、外す家もあります |
| 数の四と九 | 気にする方がいるため、個数を確かめておきます |
上の表のうち、理屈がはっきりしているのは要冷蔵と大きさの二つだけです。持ち帰る手間と保存の困りごとは、受け取る側の立場から見て説明のつく不都合ですが、刃物やハンカチや日本茶は語呂合わせが言い伝えとして残っているだけで、実際に困ることが起きるわけではありません。気にする方が確実にいるという理由だけで外しておくくらいの扱いで足ります(最終確認:2026年8月)。
個数についても四と九を避けるという話が出てきますが、 菓子の入り数まで数える方は多くありません。 箱に書かれている数を一度見て、四個入りや九個入りを外しておけば足ります。
迷って何も決められなくなるくらいなら、 紅白の饅頭や、季節の焼き菓子のように 婚礼の場で長く選ばれてきた品に寄せておくほうが早く済みます。 無難であることが、この場面ではそのまま利点になります。
のしと包み
品が決まって売り場で会計する段になると、 店の人からのしを掛けるかどうかを尋ねられることになりますが、 掛けると答えたあとに表書きは何にしますかと続けて聞かれ、 そこまで考えていなかったために、レジの前で手が止まってしまいます。
結納の手土産は改まった場のものですのでのしを掛けておくほうが丁寧ですが、 洋菓子のようにリボンのほうが似合う品もありますので、 品によって使い分けて差し支えありません。
| 項目 | 掛け方 |
|---|---|
| 水引 | 紅白の蝶結びを選び、婚礼用の結び切りは使いません |
| 表書き | 「御挨拶」または「寿」とします |
| 名前 | 水引の下に、家の姓を書き入れます |
| 洋菓子の場合 | リボンを掛ける形でも差し支えありません |
| 内のし・外のし | 手渡しですので、外のしにすると表書きが見えます |
| 紙袋 | 渡すときに外し、たたんで持ち帰ります |
手土産の水引は蝶結びで差し支えありません。婚礼の贈り物には結び切りを使うという決まりがありますが、それは結婚祝いそのものに掛けるものであって、挨拶の品として渡す手土産は別に扱われます。迷うのであれば「御挨拶」と書いた蝶結びにしておくと、どの場面でも外れません(最終確認:2026年8月)。
渡すときは紙袋から出して、品だけを差し出すのが基本の形です。 紙袋は持ち運ぶための道具ですので、 袋ごと渡すと、汚れたものを一緒に渡す形になります。
ただし持ち帰りに袋が要る場合は、 畳んだ紙袋を添えるか、よろしければお使いくださいと一言添えて渡します。 会場で行う場合は相手も電車で帰ることになりますので、 袋があるほうが助かるという場面のほうが実際には多くなります。
手土産の渡し方をくわしく見る渡すタイミングと順
品の用意ができても、いつ渡すのかが決まっていないと、 儀式が始まってしまい、渡す機会を逃したまま食事に入るということが起こります。
手土産は儀式が始まる前に渡すものにあたり、 両家が顔を合わせて挨拶を交わす場面に添えて手渡す形になりますので、 儀式が終わって食事に移ってからでは遅く、部屋に通されて腰を落ち着けた直後が渡し時になります。
| 場面 | 渡し方 |
|---|---|
| 自宅を訪ねる場合 | 和室に通されて挨拶を済ませたところで渡します |
| 会場で行う場合 | 両家がそろって挨拶を交わした場で渡します |
| 渡す人 | 親から相手の親へ渡す形が、収まりよくなります |
| 言葉 | 「心ばかりのものですが」と添えて差し出します |
| 玄関で渡す | 部屋に通される前に渡すのは、急いだ印象になります |
| 儀式の後 | 渡しそびれた場合は、食事の席で差し出しても構いません |
玄関先で渡すのは、急いでいる印象になりますので避けてください。手土産は挨拶に添えるものですので、部屋に通されて腰を落ち着け、両家がそろって挨拶を交わした場で渡すと形が整います。ただし冷蔵が必要な品を持参した場合だけは、玄関で先に渡すほうが相手のためになります(最終確認:2026年8月)。
渡す人は親から相手の親へという形が最も収まります。 手土産が家から家への品である以上、 家を代表する立場の人どうしで受け渡すという形になるためです。
両家が同時に差し出す形になった場合は、 どちらが先でも差し支えありません。 譲り合って時間が延びるくらいなら、 気づいたほうが先に差し出して、相手がそれに続けば場は自然に流れます。
受け取る側の振る舞い
渡すことばかり考えていると、受け取る側の動きを忘れがちで、 差し出された品を前にして、その場で開けるべきなのかどうか迷い、 手が止まってしまうことになります。
受け取る側にも決まった形があって、 両手で受けることと促されない限りその場では開けないことの 二つさえ押さえておけば、それ以上に考えることはありませんし、 置く場所に少し気を配れば、あとは食事の席へそのまま移れます。
| 場面 | 受け取る側の振る舞い |
|---|---|
| 受け取る | 両手で受け、礼を述べて一度膝の脇へ置きます |
| その場で開ける | 促されない限り、開けずにそのままにします |
| 置く場所 | 畳に直接置かず、座布団の脇か脇卓に置きます |
| 冷蔵が要る品 | その旨を告げられたら、断って席を外し冷やします |
| 自宅で受ける場合 | あとで供えるなら、仏壇のある家では一言添えます |
| 後日のお礼 | お礼状を出す際に、品への礼も一行添えます |
その場で開けないのは、品定めをしているように見えないためです。渡した側は中身を褒められたくて持ってきたわけではありませんし、開けて見せ合う形になると、両家の品を並べて比べることにもなります。礼を述べて脇へ置き、後日のお礼状で改めて触れるという順にしておけば、どちらの側も気を遣わずに済みます(最終確認:2026年8月)。
自宅で受け取る場合、置き場所を先に考えておくと動きが乱れません。 畳に直接置くのは避けたい形ですので、 脇に小さな卓を出しておくか、座布団の脇に置く場所を空けておいてください。
後日のお礼状を出す場合は、品への礼も一行添えておくと丁寧です。 結納そのものへの礼が主になりますが、 いただいた菓子の名を挙げて一言触れるだけで、 形式的な文面ではなく、その日を思い出して書いた手紙になります。
結納後のお礼状を見る結納の手土産に唯一の正解があるわけではなく、 決まりが無い以上、用意しないという選択も間違いにはなりませんし、 品も金額も、その家のふだんの付き合い方がそのまま出るところにあたります。 相場の3,000円から5,000円という幅も、目安として使う数字にすぎません。
どの場面でも変わらないのは、両家で金額の格をそろえるという一点だけで、 片方が三千円の菓子で、もう一方が一万円の品を出すと、 受け取った側にも渡した側にも小さな引っかかりが残ります。 服装の相談と一緒に一度尋ねておけば、それだけで済む話です。
当日の服装を見るよくある質問
結納に手土産は必要ですか?
決まりはありませんが、用意する家がほとんどです。相手への心遣いを表すもので、結納品とは別の役割を持ちます。
手土産の相場はいくらですか?
3,000円から5,000円程度が目安です。結納金の額とは連動しませんので、額に引きずられて高いものを選ぶ必要はありません。
何を選べばいいですか?
日持ちのする菓子、地元の特産品、紅白の菓子といった縁起のよい品が選ばれます。持ち帰りやすさと日持ちを基準にしてください。
避けたほうがいい品はありますか?
要冷蔵の品と大きすぎる品は、持ち帰りに困るため外してください。刃物やハンカチは語呂合わせによる言い伝えですが、気にする方がいるため外しておくと無難です。
のしは掛けますか?
掛けておくほうが丁寧です。紅白の蝶結びに「御挨拶」または「寿」と書き、水引の下に家の姓を入れます。洋菓子ならリボンでも差し支えありません。
いつ渡しますか?
儀式が始まる前、両家がそろって挨拶を交わした場で渡します。玄関先で渡すのは急いだ印象になりますので、部屋に通されてからにしてください。
受け取ったらその場で開けますか?
促されない限り開けません。両手で受けて礼を述べ、畳に直接置かずに脇へ置いてください。品への礼は後日のお礼状で改めて触れます。
まとめ
- 相場は3,000円から5,000円程度にします
- 両家で金額の格をそろえることを優先します
- 日持ちのする菓子や特産品を選びます
- 渡すのは儀式の前、挨拶を交わした場にします
参考情報
- ゼクシィ「「結納」、誰が何する?準備〜当日の流れまるわかり!【保存版】」(ホテル椿山荘東京 婚礼コーディネーター 八木みゆき氏監修)
https://zexy.net/article/app002106017/ - ゼクシィ「116人に調査【最近の結納事情】費用から結納返しまで今どきの傾向を解説!」(データはゼクシィ結婚トレンド調査2024 全国推計値/2025年6月マクロミル会員110人調査/2025年7月時点)
https://zexy.net/article/app000000050/
本記事で紹介している金額や作法は一般的な目安です。結納は地域と家によるしきたりの差がとりわけ大きい行事ですので、両家の親の考えを先に聞いてください。本記事の内容と食い違う場合は、親から聞いた形に合わせるほうが角が立ちません。