結論

結納金の平均額は95万2000円で、 100万円以上150万円未満に約7割が集まりますので、 切りのよい100万円を包むのが最も多い形になります。

用意するのは男性側で、 親が出す家もあれば本人が出す家もありますが、 男性側から「結納金はなし」と切り出すのは避けるほうが穏やかに済みます。

結納金の相場と選ばれる額

結納をすると決まってから最初に手が止まるのが金額で、 ご祝儀のように関係別の一覧があるわけでもなく、 職場や友人に前例を聞くこともできないため、調べるしかありません。

金額を決めているのは相手との関係ではなく両家が納得できるかどうかで、 そのため相場は幅ではなく特定の数字に集まる形をとっていて、 切りのよい額が繰り返し選ばれています。

金額選ばれ方
100万円最も多く選ばれる額で、迷ったときの基準になります
150万円100万円と並んで多い層に含まれます
80万円末広がりの八として選ばれることがあります
70万円慶事で好まれる奇数として選ばれます
50万円負担を抑えたい場合に選ばれる額です
30万円奇数で、額を控えめにしたい家が選びます

結納金は100万円に寄ります。ゼクシィ結婚トレンド調査2024(全国推計値)では平均額が95万2000円で、100万円以上150万円未満に69.9パーセントが集まりました。切りのよい数字が選ばれやすく、末広がりの80万円や、慶事で好まれる奇数の30万円・70万円が選ばれることもあります。相場に合わせることより、両家が納得できる額であることのほうが先に来ます(最終確認:2026年8月)。

金額の相談で行き詰まりやすいのは、相手に直接尋ねられないためで、 いくら包むつもりかと聞くのも、いくらほしいと言うのも、どちらも切り出しにくくなります。

この場面では二人が伝書役に立つのが早く、 男性側が考えている額を、彼から彼女へ、彼女から彼女の親へという順に流すと、 親同士が直接やりとりせずに済みます。 女性側が結納返しを用意する場合は額が結納金に連動しますので、 先に知らせておかないと準備が間に合いません。

誰が用意するのか

結納金は男性側が用意すると決まっていますが、 その男性側の中で親が出すのか本人が出すのかまでは決まっておらず、 家によってまるで違う扱いになります。

分かれ目になるのはその家が結納をどう位置づけているかで、 家と家の取り決めと考える家では親が出しますし、 二人の婚礼の支度金と考える家では本人が出す形になります。

出す人考え方
男性側の親家と家の取り決めとして、親が全額を用意します
男性本人二人の支度金として、本人が自分の貯蓄から出します
親と本人で分ける本人が出し、足りない分を親が足す形にします
親が援助として上乗せ本人の額に親が足し、切りのよい数字にそろえます
受け取るのは女性側の親が受け、のちに本人へ渡す形が一般的です
決め方男性側の親に、まず考えを尋ねるところから始めます

誰が出すかを先に確かめないと、二重に用意してしまうことがあります。本人が準備を進めているあいだに親も同じ額を用意していたという行き違いは実際に起きますし、逆にどちらも相手が出すと思っていて当日まで空のままだったという例もあります。男性側の親と本人が、額と出どころを合わせておくだけで防げます(最終確認:2026年8月)。

受け取る側は女性側の親で、その場では親が受けて、 のちに本人へ渡すという流れをとる家が多くなります。 結納金が婚礼と新生活の支度に使われるものである以上、 最終的には二人の手元に移ることになるためです。

ここで一つ確かめておきたいのが、女性側の親が受け取ったあとの扱いです。 そのまま本人へ渡す家もあれば、嫁入り道具や新居の家財に替えて渡す家もありますので、 結納金を式費用に充てる予定で組んでいると、当てが外れることがあります。 使い道の見込みが立っているなら、その旨を先に伝えておいてください。

結納金なしにできるか

結納は行うけれど結納金は用意しない、という形にできるかどうかは、 言い出す側がどちらかによって受け取られ方が正反対になる、 扱いの難しい話にあたります。

男性側から先に「なしで」と切り出すと、 娘を送り出す側の親には軽く扱われたように読めてしまうことがあり、 これは金額の多寡ではなく、誰が言い出したかが問題になる場面です。

言い出す側受け取られ方
男性側から「なし」と言う軽く扱われたと読まれる余地が残ります
女性側から「不要」と言う気遣いとして受け取られ、話がまとまります
結納返し分を先に引く半返し分を差し引いた額を包む形で、双方の負担が減ります
婚約指輪だけにする結納金なしの略式として、実際に行われている形です
額を控えめにするなしにするより、少額でも包むほうが収まります
判断がつかない女性側から申し出が無い限り、包む方向で準備します

関東式では、結納返しの分をあらかじめ差し引いて包む形が広く行われています。100万円を包んで50万円を返してもらうのではなく、最初から50万円を包んで返礼を省くという形で、往復させる手間も、袋を二つ用意する費用も減ります。ただしこの形にするなら、両家で先に合意しておかないと、受け取った側が額の少なさに戸惑います(最終確認:2026年8月)。

結納金なしという形を選ぶなら、婚約記念品を交わすことで けじめの形を残す方法があります。 婚約指輪と、そのお返しとしての腕時計やスーツを交換すれば、 金額の話をせずに婚約を形にできます。

いずれの形をとるにしても、当日その場で提案しないのが鉄則です。 席に着いてから金額の話を始めると、断ることも受けることも難しくなりますし、 その場に居合わせた全員が気まずさを持ち帰ることになります。 決着は事前の相談で付けておいて、当日は決まったことを進めるだけにしてください。

のし袋と表書き

金額が決まると次は入れ物ですが、 結納金の袋はご祝儀袋の売り場とは別の棚に置かれていることが多く、 同じつもりで探すと見つかりません。

表書きも「寿」で通るわけではなく、 関東と関西で使う言葉が違ううえに、 結納品と一緒に渡すのか結納金だけを渡すのかでも変わります。

場面表書きと入れ物
関東で結納品と一緒に「御帯料」と書き、水引の下に姓を入れます
関西で結納品と一緒に「小袖料」または「帯地料」とします
結納金だけを渡す「寿」とし、水引の下に姓を書きます
100万円以上のし袋ではなく桐箱に納める形がふさわしくなります
台に載せる白木台か切手盆に置いて差し出します
お札新札をそろえ、肖像が表側の上に来るように入れます

結納金の袋は、包む額に対して立派すぎても物足りなくても落ち着きません。100万円を薄い袋に入れると膨らんで形が崩れますし、逆に少額を桐箱に納めると箱ばかりが目立ちます。結納品をそろえた店で袋も相談すると、金額に合った形を選んでもらえますので、別々に買いそろえないほうが確実です(最終確認:2026年8月)。

100万円を包む場合、一万円札は100枚の束になりますので、 帯を掛けた状態で厚さがおよそ1センチになり、 一般的なのし袋では中央が膨らんで形が崩れます。 桐箱が使われるのは格式のためだけでなく、この物理的な事情によるところもあります。

新札は銀行の窓口か両替機でそろえますが、 100枚単位の両替は窓口でないと扱えないことが多く、 枚数によっては手数料もかかります。 当日の朝に慌てないよう、少なくとも一週間前には用意を済ませておいてください。

当日の渡し方

袋の用意ができても、誰がどのタイミングで差し出すのかが分からないと、 当日その場で持ち出す機会を逃してしまい、 食事が始まってから慌てて出すという形になります。

結納金は結納品の一部として扱われますので、 単独で渡すのではなく、品と一緒に飾り台に置かれるのが基本の形で、 運ぶのは男性側の母親という役割分担になります。

場面渡し方
結納品がある場合品と一緒に飾り、母親がまとめて運びます
結納金だけの場合白木台か切手盆に載せ、口上とともに差し出します
口上を述べる人男性側の父親が、進行役として述べます
受け取る人女性本人が目録を改め、両親も順に目を通します
受書を返す女性側の母親が、その場で男性本人へ渡します
直接手渡し台を使わず手から手へ渡す形は避けます

台を使うのは、手から手へ渡さないためです。金品を直接手渡ししない形にすることで、受け取る側が押し付けられたようにも、断りにくいようにも感じずに済みます。白木台が無ければ切手盆で足りますし、会場の結納プランを使えば台も用意されていますので、自前でそろえられなくても困りません(最終確認:2026年8月)。

口上は「そちらは○○家からの結納の品でございます。幾久しくお納めください」で、 受ける側は「ありがとうございます。幾久しくお受けいたします」と返します。 幾久しくという一語が両方に入るため、覚えることは多くありません。

台詞を紙に書いて手元に置いても失礼にはあたりませんし、 言い直しながら進めるより、一度で通したほうが場が締まります。 父親が緊張して言葉に詰まる場面は珍しくありませんので、 前日までに一度声に出して読んでおくと当日が楽になります。

当日の流れを最初から見る

結納金の使い道

受け取ったあとで迷うのが使い道で、 好きに使ってよいものなのかという点が 渡した側と受けた側で食い違うと、あとから気まずさが残ります。

結納金はもともと婚礼の支度金として贈られるものですので、 使う先は婚礼と新生活のあたりに限られると考えておくほうが、 渡した側の思いからも、税の扱いからも外れません。

使い道扱い
結婚式の費用本来の趣旨にかない、最も多い使い道です
新居の家賃や敷金礼金新生活の支度として、無理なく充てられます
引っ越し費用業者への支払いに充てるのが一般的です
家具や家電新生活に必要なものとして選ばれます
新婚旅行充てる家もあり、婚礼の一部として扱われています
そのまま貯蓄支度金という趣旨からは離れるため、一言添えておきます

結納金は女性側へ贈られたお金ですので、何に使うかは主に女性側が決めて差し支えありません。とはいえ結婚式の費用に充てる予定であれば二人で共有しておく必要がありますし、女性側の親が受け取ったまま家財に替える家もあります。受け取ったあとの流れを先に確かめておかないと、式の予算が合わなくなります(最終確認:2026年8月)。

使い道で気をつけたいのが、渡した側から何に使ったかを尋ねられる場面で、 悪気なく世間話として出てくることが多いぶん、 そこで答えに詰まってしまうと、それだけで両家のあいだに小さな引っかかりが残ります。

避けたいのは、婚礼と関係のない大きな買い物に充ててしまうことで、 ブランド品や車といった個人の持ち物に替えてしまうと、 支度金として贈った側の思いからは離れますし、 その話が後々まで語られる形になりますので、 迷う使い道があるなら、先に相手側へ一言添えておくほうが軽く済みます。

贈与税はかかるのか

100万円という額を目にすると、 税務署に何か届け出が要るのではないかという不安が出てきますが、 これを親や相手に尋ねるのもためらわれます。

結論から言えば常識の範囲の結納金に税はかかりませんが、 その根拠がどこにあるのかを知っておくと、 どこから先が例外なのかも同時に見えてきます。

場面税の扱い
常識の範囲の結納金祝物にあたるため、贈与税はかかりません
判断の基準社会通念上相当かどうかという一点で決まります
極端に高額な場合社会通念を超えるとして、判断が分かれる場面です
使い道による条件この項目には、何に使ったかという条件は付いていません
基礎控除の110万円暦年課税の枠で、非課税財産とは別の話になります
判断に迷う場合税務署か税理士に確かめるのが確実です

常識の範囲の結納金であれば、贈与税はかかりません。国税庁のタックスアンサー No.4405 に、個人から受ける香典・花輪代・年末年始の贈答・祝物・見舞いなどの金品で社会通念上相当と認められるものは非課税と示されています。この項目に書かれている条件は「社会通念上相当かどうか」の一点だけで、受け取ったお金を何に使ったかという条件は付いていません。ただし金額が社会通念を大きく超える場合は判断が分かれますので、迷う額であれば税務署か税理士に確かめてください(最終確認:2026年8月)。

国税庁が非課税の例として挙げているのは 香典・花輪代・年末年始の贈答・祝物・見舞いという並びで、 いずれにも社会通念上相当と認められるものという条件だけが付いていますので、 結納金はこの祝物にあたるという整理になります。

調べていると必ず出てくるのが使い道によって課税されるという説明ですが、 これは根拠となる項目が別にあり、そのまま結納金へ当てはめられるものではありません。 混ざりやすい三つを、下の注で切り分けておきます。

書かれていることその根拠がある場所
祝物は社会通念上相当なら非課税これが結納金に当てはまる項目にあたります
貯蓄や株の購入は課税扶養義務者から受け取る生活費・教育費の話です
新婚旅行の費用は対象外結婚・子育て資金の一括贈与という別の制度の話です
年間110万円まで非課税暦年課税の基礎控除で、非課税財産とは別の枠です
安全な金額の線いくらまでという数字は、どこにも示されていません
確かめる先税務署の相談窓口か、税理士にあたります

結納金の税について調べると、別の制度の説明が混ざったまま出てくることがあります。「預金や株式の購入にあてた分は課税」という話は扶養義務者から受け取る生活費・教育費についての決まりで、「新婚旅行の費用は対象外」という話は結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度についての決まりです。いずれも結納金が当てはまる「祝物」の項目とは別の枠組みですので、そのまま結納金に当てはめないでください(最終確認:2026年8月)。

とはいえ、渡した側の思いに沿った使い方をするという話と、 税の扱いの話は別に置いておいてください。 婚礼の支度金として贈られたお金である以上、 何に使ったかを尋ねられる場面はありえますし、そこは税とは無関係に効いてきます。

金額について押さえておきたいのは、 社会通念上相当という言葉に数字が示されていないという点で、 いくらまでなら大丈夫という線はどこにも引かれていません。 平均が95万円あまりという相場からかけ離れた額を扱うのであれば、 自分で線を引かずに、税務署か税理士に確かめてください。

結納返しの金額を見る

結納金にただ一つの正解があるわけではなく、 平均が95万2000円で100万円が最も多く選ばれているという事実は、 あくまで両家が納得する額を探すときの出発点にすぎません。 家の考え方によって、その額は上にも下にも動きます。

どの場面でも変わらないのは、額を決める前に相手側へ伝えるという一点だけで、 結納返しを用意する側は結納金の額が分からなければ準備できませんし、 当日になって初めて金額を知る形になると、返す側は身動きが取れません。 金額そのものより、伝える順のほうが両家の関係を左右します。

結納品の中身を見る

よくある質問

結納金の相場はいくらですか?

ゼクシィ結婚トレンド調査2024(全国推計値)では平均額が95万2000円で、100万円以上150万円未満が69.9%を占めます。切りのよい100万円が最も多く選ばれています。

結納金は誰が用意しますか?

男性側が用意します。親が出す家と本人が出す家の両方があり、決まりはありません。二重に用意してしまわないよう、男性側の親と本人で先に確かめてください。

結納金をなしにしてもいいですか?

女性側から不要と申し出があれば問題ありません。ただし男性側から先に「なし」と切り出すのは、軽く扱われたと読まれる余地が残るため避けてください。

結納金ののし袋には何と書きますか?

関東では「御帯料」、関西では「小袖料」または「帯地料」とします。結納金だけを渡す場合は「寿」とし、水引の下に姓を書きます。

100万円はのし袋に入りますか?

一万円札100枚は帯を掛けた状態で厚さがおよそ1センチになり、一般的なのし袋では中央が膨らんで形が崩れます。100万円以上は桐箱に納める形がふさわしくなります。

結納金に贈与税はかかりますか?

社会通念上相当と認められる額であればかかりません。国税庁のタックスアンサーNo.4405に祝物として示されています。この項目に使い道の条件は付いていませんが、極端に高額な場合は判断が分かれますので、迷う額であれば税務署か税理士に確かめてください。

結納金は何に使えばいいですか?

結婚式の費用、新居の家賃や敷金礼金、引っ越し費用、家具や家電といった婚礼と新生活の支度に使うのが本来の趣旨です。これは贈った側の思いに沿うかどうかという話で、税の扱いとは別に考えてください。

まとめ

  • 平均額は95万2000円で、100万円が最も多く選ばれます
  • 用意するのは男性側で、親か本人かは家によります
  • 表書きは関東が「御帯料」、関西が「小袖料」にします
  • 常識の範囲の額であれば贈与税はかかりません

参考情報

  1. ゼクシィ「結納金って税金がかかるの?贈与税・渡し方etc.気になる疑問を解説!」(ファイナンシャルプランナー 丸山晴美氏・マナーデザイナー 岩下宣子氏監修/2025年5月時点)
    https://zexy.net/article/app002505017/
  2. ゼクシィ「116人に調査【最近の結納事情】費用から結納返しまで今どきの傾向を解説!」(データはゼクシィ結婚トレンド調査2024 全国推計値/2025年6月マクロミル会員110人調査/2025年7月時点)
    https://zexy.net/article/app000000050/
  3. 国税庁 タックスアンサー No.4405「贈与税がかからない場合」
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4405.htm

本記事で紹介している金額や作法は一般的な目安です。税の扱いについては国税庁の公表内容をもとにしていますが、個別の判断は税務署または税理士に確かめてください。制度は改正されることがあります。