結論

歓迎会の挨拶は、どの役目でも1分以内に収めるのが目安です。 話す中身を増やすより短く切り上げるほうが場は動きますし、 乾杯の発声にいたっては30秒でも長すぎるということはありません。

忘年会と違うのは主役の名前を必ず一度は口に出すという一点です。 マイナビが正社員21,798名に尋ねた調査でも、 職場に慣れるうえで効くのは「何気ない雑談」の62.4パーセントでしたので、 挨拶の役目は名前を全員に届けるところまでで足ります。

四つの挨拶と、その役目

挨拶を頼まれたとき、最初に分からないのは何を話すかよりも、 自分に振られたのが会のどの部分にあたるのかという点で、 開会の言葉と歓迎の言葉を取り違えると、話す長さも中身も合わなくなります。

歓迎会には役目の違う挨拶が四つ置かれていて、 それぞれ述べる立場も長さも決まっていますから、 自分がどれを頼まれたのかさえ分かれば、用意すべきものは自然に絞られます。

挨拶誰が述べ、どのくらい話すか役目
開会の言葉幹事が30秒ほどで、会の始まりを告げます終了時刻と進行の予定を、あわせて知らせます
歓迎の言葉いちばん役職の高い方が1分ほど話します主役の名前と配属先を、全員に届けます
乾杯の発声2番目の立場の方が30秒で音頭を取ります会を歓談へ移すための、合図にあたります
主役の挨拶迎えられる本人が、会の半ばで1分ほど話します本人が名乗り、これからのことを一言添えます
締めの言葉先輩格の方か幹事が、30秒ほどで区切ります解散を告げ、二次会があれば案内します

歓迎会の受け止めは、年代よりも本人の好みで分かれます。マイナビの調査で「新しい職場で歓迎会を開いてもらったら嬉しいか」を尋ねると、「嬉しい」41.1パーセント、「どちらともいえない」41.9パーセント、「嬉しいとは思わない」17.0パーセントでした。年代別の「嬉しい」は20代43.6パーセント、30代41.7パーセント、50代40.8パーセントで、差は3ポイント以内にとどまります。若い人ほど嫌がるという言われ方は、この調査からは支持されません(最終確認:2026年8月)。

四つのうち、迷いやすいのは歓迎の言葉です。 主役の経歴をどこまで紹介してよいのかという判断が入りますし、 本人が話す前に中身を先取りしてしまうと、 主役の挨拶が続けにくくなります。

引き受けるときは、その場で長さと順番だけ確かめておいてください。 同じ「一言お願いします」でも、乾杯まで含む会と挨拶だけの会がありますので、 どちらなのかを聞いておくと当日に迷いません。

開会の言葉の文例

開会の言葉は幹事が述べるのが通例ですが、 まだ全員が席に着ききっていない時間帯にあたり、 店の物音と話し声が残るなかで切り出すことになりますので、最初の一言に迷います。

この挨拶の役目は会が始まったと全員に知らせることだけにあり、 主役の紹介も歓迎の言葉も、次に話す上役へそのまま任せて差し支えありませんから、 30秒より長く話す必要はどこにもありません。

幹事が述べる開会の言葉(150字前後)

皆様、本日はお忙しいなかお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。ただいまより営業部の歓迎会を始めさせていただきますので、本日の進行を務めます△△と申します私から、簡単に流れをご案内させていただきます。

本日は8時半までを予定しておりまして、会の半ばで□□さんからも一言いただく時間を取っておりますので、そのつもりでお聞きいただければ幸いです。それでは初めに、部長の◇◇より歓迎のご挨拶を頂戴したいと存じますので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。

話し始める前に、後ろの席まで声が届いているかを一度確かめてください。 広い部屋では最初の一言が届かず、 挨拶が始まったこと自体に気づかない卓が出ますので、 少し間を取ってから切り出すほうが確実です。

終了時刻をここで伝えておくと、電車の都合がある人が帰る時刻を決められますし、 主役が話す場面があることを先に知らせておけば、 本人も心構えができて、当日その場で驚かずに済みます。

歓迎の言葉の文例

歓迎の言葉を頼まれると、主役をどう紹介すればよいのかで迷います。 前職の話をしてよいのか、年齢に触れてよいのか、 経歴をどこまで並べるのかという判断が同時に入ってくるためです。

判断の軸は本人が自分で話す余地を残すかどうかで、 迎える側が経歴をすべて語ってしまうと、 このあとの主役の挨拶で話すことが無くなりますから、 名前と配属先だけを確実に伝えるという形にとどめておくのが収まります。

触れる内容扱いそう考える理由
名前と配属先必ず入れ、はっきり聞き取れる速さで述べますここを伝えるのが、この挨拶のいちばんの役目にあたります
前職や経歴ひとことに留め、詳しくは本人へ譲っておきます先に語ると、主役の挨拶で話すことが残りません
年齢・家族構成触れずにおくほうが無難で、話す必要もありません本人が場で言いたくない事情を抱えている場合があります
これから任せる仕事大きな方向だけを述べ、細かい話は職場に戻してから伝えます会の場で細部を詰めると、周りが聞いていられません
職場の様子気軽に聞ける相手が誰なのかを、名前で挙げておきます雑談の入り口ができると、翌日から話しかけやすくなります
期待の言葉短く添える程度にとどめ、重い言い方は避けておきます初日から大きな期待を背負わせると、本人が動きにくくなります

職場に慣れるうえで、歓迎会は上位の手段ではありません。マイナビの調査で新しい職場に慣れるために有効だと思うことを複数回答で尋ねると、「何気ない雑談をする」が62.4パーセント、「積極的に挨拶する」が49.9パーセントで並び、この2つが突出しています。20代では研修35.9パーセント、終業時間内に行うランチ形式の歓迎会27.2パーセント、交流イベント26.9パーセントが全体より高く出ました。一度の会より、翌日からの雑談のほうが効くという結果です(最終確認:2026年8月)。

上役が述べる歓迎の言葉(220字前後)

ご紹介にあずかりました営業部の◇◇でございますが、本日は4月から第一課に加わっていただきました□□さんの歓迎会ということで、皆様にお集まりいただきました。

□□さんにはまず既存のお客様への訪問から入っていただく予定ですが、分からないことがありましたら遠慮なく、同じ課の△△さんか私に聞いていただければ大丈夫です。すぐに全部を覚えていただく必要はありませんので、まずは顔と名前を一致させるところから始めていただければ十分です。本日はどうぞ、ゆっくり過ごしてください。

名前を述べるときは、少し速さを落としてください。 初めて聞く名字は一度では耳に残りませんし、 読み方の珍しい名前ほど、この場で正しく伝えておく値打ちがありますので、 一文字ずつ区切るくらいでちょうど収まります。

聞く相手を名前で挙げておくのも効きます。 困ったら誰に聞けばよいのかが分かっている状態は、 それだけで翌日からの動きが変わりますし、 挙げられた側も自分が窓口だと認識できます。

乾杯の挨拶の文例

乾杯を任されると、何か気の利いたことを言わなければという気持ちが働き、 職場の近況を並べているうちに長くなって、 全員がグラスを持ったまま待つ時間ができてしまいます。

乾杯の挨拶で効くのは中身よりも短さのほうで、 全員がグラスを胸の高さに掲げて待つ状態は思うよりずっと長く感じられますから、 30秒ほどで切り上げて発声に移るのが、結局その場のためになります。

組み立て入れる一文長さの目安
名乗る部署と名前を、一文で短く述べます5秒ほどで足り、肩書きを重ねる必要はありません
主役へ向ける名前を呼び、加わってくれたことへ礼を述べます10秒ほどで、ここがこの挨拶の中心にあたります
一言添えるこの時期の職場の様子に、一つだけ触れておきます5秒ほどで、話題は一つに絞っておきます
促すグラスをお持ちくださいと、はっきり呼びかけます飲まない方が烏龍茶を手に取る間になります
発声する顔を上げて、短く「乾杯」と一声を出しますグラスは目の高さまでにとどめておきます
避けること一年の総括や来期の方針は、この場では述べません長くなるほど、待っている全員の腕が下がります

ハラスメント対策は、いまや職場側の実務になっています。マイナビが企業の中途採用担当者807名に尋ねた調査では、歓迎会や送別会などの懇親会について78.4パーセントが何らかのハラスメント対策を実施していると答えました。内訳はセクシャルハラスメントへの対策が61.8パーセント、パワーハラスメントへの対策が61.5パーセントです。一方でアルコールハラスメントへの対策は、この2つほど進んでいません。飲めない人に飲ませない配慮は、いまのところ現場の判断に委ねられている部分が大きいところです(最終確認:2026年8月)。

上司が述べる乾杯の挨拶(190字前後)

ご紹介にあずかりました第二課の◎◎でございます。□□さん、このたびは私どもの部署へ来ていただきまして、ありがとうございます。ちょうど年度の切り替わりで慌ただしい時期にあたりますが、そのぶん職場の動きを一通り見ていただけますので、覚えていただくことも早いはずです。

本日はどうぞ、仕事の話は一度脇に置いてゆっくり召し上がっていただければと存じます。それでは僭越ながら私が音頭を取らせていただきますので、皆様、お手元のグラスをお持ちください——乾杯。

発声の直前に「グラスをお持ちください」と一言はさんでください。 手元にグラスが無い人が用意する間ができますし、 お酒を飲まない人が烏龍茶を手に取る時間にもなりますので、 全員がそろってから一声を出せます。

グラスを頭より高く振り上げると、中身がこぼれて周りにかかることがあります。 目の高さに掲げて、そのまま軽く目礼するくらいで十分ですし、 主役のほうを一度見てから発声すると、会の向きがそちらに定まります。

締めの言葉と、避けたい話題

締めの言葉は、会の終わりを告げるだけの短い挨拶ですが、 ここで話が長くなると、帰りの電車を気にしている人が席を立てなくなり、 最後の10分だけがやけに重く感じられる会になります。

締めで押さえるのは解散を明確に告げることで、 二次会があるかどうかもここで伝えておかないと、 店の外で立ち話が始まって、帰る人と残る人が分かれるまでに時間がかかります。

話題扱いそう考える理由
解散の合図必ず明確に告げ、あいまいな終わり方にしません合図が無いと、帰ってよいのか分からない人が残ります
二次会の案内ある場合はここで場所と時刻を伝えておきます店の外で相談を始めると、帰る人が動けなくなります
主役への一言名前をもう一度呼び、明日からよろしくと短く添えます最後にもう一度名前が出ると、全員の記憶に残ります
仕事の話この場では出さず、翌日の職場に持ち越します締めで業務の指示が出ると、会の空気がそこで切り替わります
個人の事情に触れる話家族・年齢・容姿などには、最後まで触れません企業の78.4パーセントが懇親会のハラスメント対策を実施しています
手締め職場の慣習があるときだけ行い、無ければ省いて構いません歓迎会では省く職場も多く、決まりではありません

ハラスメント対策は、いまや職場側の実務になっています。マイナビが企業の中途採用担当者807名に尋ねた調査では、歓迎会や送別会などの懇親会について78.4パーセントが何らかのハラスメント対策を実施していると答えました。内訳はセクシャルハラスメントへの対策が61.8パーセント、パワーハラスメントへの対策が61.5パーセントです。一方でアルコールハラスメントへの対策は、この2つほど進んでいません。飲めない人に飲ませない配慮は、いまのところ現場の判断に委ねられている部分が大きいところです(最終確認:2026年8月)。

幹事が述べる締めの言葉(140字前後)

そろそろお時間となりましたので、このあたりで締めさせていただきますが、本日はお忙しいなかお集まりいただきまして、まことにありがとうございました。

□□さん、あらためて、これからどうぞよろしくお願いいたします。このあと二次会を近くの店に用意しておりますので、ご都合のつく方は入口のところへお集まりいただければご案内いたします。お帰りになる方は、お忘れ物のないようお気をつけてお帰りください。

避けておきたい話題は、締めに限った話ではありません。 家族の有無や年齢、容姿に触れる言葉は歓迎の場でも冗談として出やすいところですが、 企業の78.4パーセントが懇親会のハラスメント対策を実施しているという状況ですので、 その場の空気だけで判断しないでください。

お酒を勧める場面も同じです。 マイナビの調査ではセクハラ対策61.8パーセント、パワハラ対策61.5パーセントに対し、 アルコールに関する対策はこの2つほど進んでいませんので、 飲めるかどうかは本人の申告だけを頼りにしてください。

歓迎会の挨拶に決まった型があるわけではなく、 職場によって順番も長さも違いますし、 乾杯を若手に振る会も、締めを省いて自然に解散する会もあります。 文例をそのまま読み上げなければならない場面は、実際にはほとんどありません。

どの役目でも変わらないのは、主役の名前を一度は口に出すという一点だけです。 名前と配属先が全員に届けば、その会の目的は果たせていますので、 言葉が多少ぎこちなくても失礼にはなりません。

よくある質問

歓迎会の挨拶は、どのくらいの長さがよいですか。

どの役目でも1分以内が目安です。開会の言葉と乾杯の発声は30秒ほど、歓迎の言葉は1分ほどで足ります。乾杯は全員がグラスを掲げて待つ場面ですので、30秒でも長すぎるということはありません。

歓迎の言葉で、主役の経歴はどこまで話してよいですか。

ひとことに留めてください。迎える側が経歴をすべて語ってしまうと、このあとの主役の挨拶で話すことが残りません。名前と配属先を確実に伝え、詳しい話は本人へ譲るという形が収まります。

主役の年齢や家族構成に触れてもよいですか。

触れずにおいてください。本人がその場で言いたくない事情を抱えている場合がありますし、マイナビの調査では企業の78.4パーセントが懇親会のハラスメント対策を実施しています。その場の空気だけで判断しないでください。

乾杯の音頭を若手が頼まれることはありますか。

あります。役職が2番目の方に頼む形が通例ですが、あえて若手に振る職場も少なくありません。その場合は経歴を語るより、これから覚えていくという姿勢を一文置くほうが収まります。

歓迎会でも手締めをするのですか。

職場の慣習があるときだけで構いません。歓迎会では省く職場も多く、決まりではありません。前年の幹事に確かめておくと、当日に迷いません。

締めの挨拶では何を言えばよいですか。

解散を明確に告げてください。二次会がある場合は場所と時刻もここで伝えます。合図があいまいだと、帰ってよいのか分からない人が席に残りますし、店の外で相談を始めると帰る人が動けなくなります。

挨拶を頼まれたら、その場で何を確かめておけばよいですか。

話す長さと、乾杯まで含むかどうかの2点です。同じ「一言お願いします」でも、乾杯の発声まで含む会と挨拶だけの会がありますので、引き受ける段階で聞いておくと当日に迷いません。

まとめ

  • 挨拶はどの役目でも1分以内、乾杯の発声は30秒で足ります
  • 歓迎会の挨拶は開会・歓迎の言葉・乾杯・締めの四つに分かれます
  • 歓迎の言葉では名前と配属先を確実に伝え、経歴は本人へ譲ります
  • 年齢・家族構成・容姿には触れず、冗談としても口に出しません
  • 乾杯の直前に「グラスをお持ちください」と一言はさみます
  • 締めでは解散を明確に告げ、二次会があればその場で案内します
  • 企業の78.4パーセントが懇親会のハラスメント対策を実施しています
  • 職場に慣れるうえで効くのは「何気ない雑談」の62.4パーセントのほうにあたります

参考情報

  1. チムニー「忘年会の挨拶の基本と例文まとめ|開会・乾杯・締め・閉会の流れを徹底解説」
    https://www.chimney.co.jp/campaign/bounenkai-aisatsu/
  2. マイナビ キャリアリサーチLab「【正社員2万人に聞いた】歓迎会に関する意識調査2026年」(正社員21,798名・企業の中途採用担当者807名/2026年1月5日〜8日・インターネット調査)
    https://career-research.mynavi.jp/reserch/20260312_108023/
  3. Job総研(パーソルキャリア)「2026年 送別会意識調査」(現在就業中の20〜50代の男女386名/2026年2月11日〜16日・インターネット調査)
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000272.000013597.html

挨拶の長さと順番に公的な基準はなく、宴会場・飲食各社の解説に共通する形をまとめています。文例はいずれも本記事のために書き起こしたもので、部署名と人名は仮のものです。歓迎会の受け止め方とハラスメント対策の数字はマイナビ「【正社員2万人に聞いた】歓迎会に関する意識調査2026年」(正社員21,798名・企業の中途採用担当者807名/2026年1月5日〜8日)によります。歓迎会を開いてもらうことを「嬉しい」と答えたのは41.1パーセント、年代別では20代43.6パーセント・30代41.7パーセント・50代40.8パーセントで差は3ポイント以内でした。企業の78.4パーセントが懇親会のハラスメント対策を実施し、セクハラ対策61.8パーセント、パワハラ対策61.5パーセントに対してアルコールハラスメント対策は進んでいないと報告されています。(最終確認:2026年8月)

本記事で紹介している進め方や金額は一般的な目安です。歓送迎会に決まった型はなく、会社・部署・業種によって慣習が大きく異なります。前年までのやり方がある場合は、そちらに合わせるほうが角が立ちません。迷ったときは、前年の幹事か直属の上司に確かめてください。