結論
主役の挨拶は1分半から2分、400字から500字ほどが目安です。 送る側より少し長く取れる場面ですが、 感謝と、次のことを一言ずつ置けば形になりますので、 経歴を振り返る必要はありません。
辞める理由のほうは、話さないままで構いません。 Job総研が社会人386名に尋ねた調査では、 自分の送別会について「静かに区切りをつけたい」を43.2パーセントが挙げており、 多くを語らないこと自体が広く選ばれている形にあたります。
長さと組み立て
送別会の案内が回った時点から、当日に何を話せばよいのかが頭の隅に残り続けて、 在籍したあいだの出来事を順に思い出しているうちに、 これを全部話したら10分では終わらないという事実に行き当たります。
長さを決める軸はそのあとに何が残っているかで、 主役の挨拶は会の終わり近くに置かれ、そのあとは記念品の贈呈と締めだけですから、 1分半から2分のあいだで切り上げれば会の流れは崩れません。
| 組み立て | 入れる内容 | 長さの目安 |
|---|---|---|
| 礼から入る | 会を開いてもらったことへ、まず礼を述べます | 15秒ほどで、幹事の名前を挙げると具体的になります |
| 在籍を一言 | 何年いて、どこで働いたのかを一文で述べます | 15秒ほどで、部署ごとに振り返らないでおきます |
| 具体的な場面を一つ | 助けられた出来事を、一つだけ挙げておきます | 40秒ほどで、ここが挨拶の中心にあたります |
| これからのこと | 次に何をするのかを、話せる範囲で一言添えます | 20秒ほどで、詳しく述べる義務はありません |
| 残る人へ向ける | 部署のこれからに、短く言葉を向けておきます | 15秒ほどで、指示めいた言い方は避けておきます |
| 礼で締める | あらためて礼を述べ、頭を下げて終わります | 10秒ほどで、合計2分に収まる形になります |
自分が主役の会については、断りたいと考える人のほうが多数派です。Job総研の調査では、自身の送別会を「開いてほしくない派」が53.4パーセントで過半数を占めました。理由は「気を遣わせてしまうのが嫌」が51.0パーセントで最多、次いで「静かに区切りをつけたい」43.2パーセント、「目立つことが苦手」41.3パーセントです。会そのものを否定しているのではなく、人に手間をかけさせることをためらっているという形が読み取れます(最終確認:2026年8月)。
具体的な場面を一つ入れるかどうかで、挨拶の印象は大きく変わります。 感謝の言葉だけを並べてしまうと誰の挨拶でも同じ内容になりますが、 ある日の出来事を一つ挙げると、その場にいた人の記憶がそこで動きますので、 思い出せる範囲でひとつ選んでおいてください。
話している途中で涙が出てしまっても、それで失敗になるわけではありません。 Job総研の調査では自身の送別会について「目立つことが苦手」を41.3パーセントが挙げており、 多くの人が同じところで身構えていますし、 途中で言葉に詰まったなら、そこで礼を述べて終えても差し支えありません。
退職するときの文例
退職の挨拶では、辞める理由をどこまで話すかという問題が最初に立ちます。 黙っていると隠しているように見えるのではないかと考える一方で、 話せば話したで、その場の空気が変わってしまうのではないかとも思えてきます。
判断の軸はその場が説明の場ではないという点で、 送別会は理由を明かす場ではなく区切りをつける場にあたりますから、 理由に触れずに済ませても、不自然にはなりません。
自己都合で退職する人の挨拶(450字前後)
本日はこのような会を開いていただきまして、まことにありがとうございます。幹事を務めてくださった△△さんには、忙しい時期にお手間をかけてしまい、申し訳なく思っております。
振り返ってみますと、この部署にはちょうど8年おりました。入った当初はお客様の名前も商品の型番も何ひとつ頭に入っておらず、電話を取るたびに保留にして先輩に代わっていただいていたことを覚えております。3年目の秋に大きな納期の遅れが出たときも、私一人ではとうてい収まらないところを、課の皆様が手分けして先方へ回ってくださいました。あのとき助けていただいたことは、この先も忘れられそうにありません。
来月からは別の道へ進むことになりますが、ここで教えていただいたことは、どこへ行っても変わらず使えるものばかりです。皆様のこれからのご健勝を、心よりお祈りしております。長いあいだ、本当にありがとうございました。
定年で退職する人の挨拶(430字前後)
本日はお忙しいなか、私のためにこのような席を設けていただきまして、まことにありがとうございます。皆様のお顔を見渡しておりますと、ずいぶん長くここにいたのだなという気持ちになります。
この会社には38年おりまして、途中で3つの部署を回らせていただきましたが、そのなかでいちばん長かったのがこの営業部でした。入社したころは伝票をすべて手で書いておりまして、いまの仕組みからは想像もつかないはずです。仕事のやり方はずいぶん変わりましたが、お客様に頭を下げに行く場面だけは、38年のあいだ何ひとつ変わりませんでした。
これから先は、この部署がどう変わっていくのかを外から楽しみに見せていただきます。皆様どうぞお体を大切に、無理のないようお過ごしください。長いあいだ、本当にお世話になりました。
文例をそのまま読み上げなければならない場面は、実際にはほとんどありません。 当日は立ち上がった時点で用意した文章の半分ほどが飛んでしまいますし、 礼と、覚えている場面が一つ入っていれば挨拶として成り立ちますので、 残りは思い出せた範囲で足せば十分です。
在籍した年数が短い場合でも、同じ組み立てのままで構いません。 年数の長さと挨拶の長さは比例するものではありませんし、 短いあいだに助けられた場面を一つ挙げるほうが、無理に長く話すよりよく届きます。
異動・転勤のときの文例
異動の挨拶は、退職と違って別れきりにならないぶん、 どのくらい改まった言い方にすればよいのかで迷いますし、 大げさに述べると、来月からも同じ会社にいるのにと思われそうな気もしてきます。
分かれ目は戻ってくる可能性があるかどうかで、 同じ会社のなかで移るのであれば再会に触れて差し支えありませんし、 次の職場での担当を一言添えておくと、後々の連絡もつきやすくなります。
| 場面 | 触れておくとよいこと | 押さえておくこと |
|---|---|---|
| 社内の異動 | 移る先の部署名と、担当することになる仕事を述べます | 同じ社内ですので、再会に触れて差し支えありません |
| 転勤で遠方へ | 着任する土地と時期を、一言添えておきます | 距離があるぶん、連絡の手段に触れておくと親切です |
| 出向・派遣先の変更 | 行き先と、戻る見込みがあるかどうかを述べます | 期間が決まっている場合は、その旨を添えておきます |
| 引き継ぎの相手がいる | 引き継ぐ人の名前を挙げ、頼む言葉を添えておきます | 残る人が誰に聞けばよいのかを、この場で示せます |
| 昇進をともなう異動 | 肩書きの話より、任される仕事のほうへ言葉を向けます | 自慢に聞こえる言い方は、その場で浮いてしまいます |
| 本意でない異動 | 不満には触れず、礼と引き継ぎの話にとどめておきます | その場で述べても状況は変わらず、気まずさだけが残ります |
歓送迎会の時期に決まりはなく、人事の動きに合わせて自然にこの時期へ寄っているだけです。Job総研が社会人386名に尋ねた調査では、勤務先で送別会が開催された割合は2018年度の41.2パーセントから2020年度に14.2パーセントまで落ち、2023年度に45.1パーセント、2024年度に52.8パーセントと戻して、2025年度は51.8パーセントでした。2社に1社では開かれていないという状態ですので、去年あったから今年もあるとは限りませんし、無いことを不自然に受け取る必要もありません(最終確認:2026年8月)。
社内の異動で移る人の挨拶(420字前後)
本日はこのような会を開いていただきまして、まことにありがとうございます。幹事を務めてくださった△△さんには、お忙しいところをずいぶんお手間かけてしまいました。
5年のあいだ、この第一課で働かせていただきました。一昨年の秋にシステムが半日止まって受注を一件ずつ紙で控えることになった日には、誰に指示されるでもなく全員が手を動かしておりまして、こういう部署にいられてよかったと感じたことをいまでもよく覚えております。
来月からは大阪支店で、こちらと同じく法人のお客様を担当することになっております。私の担当は◎◎さんに引き継いでおりますので、何かお気づきの点がありましたらそちらへお願いいたします。同じ会社ではありますし、またこちらへ顔を出す機会もあるかと存じます。5年間、本当にありがとうございました。
引き継ぎの相手の名前は、この挨拶のなかで必ず挙げておいてください。 残る人にとっては誰に聞けばよいのかがいちばんの関心事にあたりますし、 名前が出た時点で、引き継ぐ側も窓口だと認識できます。
本意でない異動であっても、その場では不満に触れずにおいてください。 述べたところでその場で状況が変わるわけではありませんし、 送ってくれた人たちのあいだに気まずさだけが残る形になります。
辞める理由をどこまで話すか
挨拶の最中や歓談のあいだに、次はどちらへ行くのか、 なぜ辞めるのかと尋ねられる場面があり、 その場の空気で答えてしまってから、言わなければよかったと思うことがあります。
判断の軸はあとから取り消せるかどうかで、 会の席で述べたことは翌日には部署の外まで伝わっている場合がありますから、 その日に話せる範囲だけを、あらかじめ決めておくほうが確実です。
| 聞かれること | 答え方の目安 | そう考える理由 |
|---|---|---|
| 退職の理由 | 一身上の都合とだけ述べ、中身は伏せて構いません | 送別会は理由を説明する場ではなく、区切りの場です |
| 転職先 | 業種だけ答えるか、まだ言えないと述べても構いません | 同業への転職では、公にできない事情があります |
| 次の年収・待遇 | 答える義務はなく、笑って流しておいて差し支えありません | その場で数字が出ると、翌日には部署の外まで伝わります |
| 職場への不満 | 述べないでおくほうが、後々の付き合いを残せます | 残る人には、その不満を引き受けることができません |
| 家庭の事情 | 話せる範囲だけを述べ、詳しく求められても伏せて構いません | 私事にあたり、明かす義務はどこにもありません |
| また戻る気はあるか | その場では曖昧に返しておいても、失礼にはあたりません | 断言すると、どちらの答えでも後で動きにくくなります |
反対されているのは会そのものではなく、断れないことのほうです。Job総研の調査で送別会文化に反対と答えた140人にその理由を尋ねると、「参加が半強制になりやすい」が46.4パーセントで最多、次いで「本音と建前が乖離しやすい」33.6パーセント、「多様な価値観や時代に合わない」32.9パーセントでした。同じ調査で全体の63.8パーセントは送別会文化に賛成しています。会があること自体は歓迎されていて、断れない空気だけが嫌われているという形です(最終確認:2026年8月)。
理由を伏せることを、後ろめたく思う必要はどこにもありません。 Job総研の調査でも自身の送別会について 「静かに区切りをつけたい」が43.2パーセントと2番目に多く挙がっており、 多くを語らずに終える形は、広く選ばれています。
答え方を先に一つ決めておけば、その場で迷わずに済みます。 同じ問いを何人からも繰り返し受けることになりますので、 同じ答えを繰り返すほうが、話に食い違いも生まれません。
会の終わりと、その後の連絡
挨拶が終わり、記念品を受け取ったあとは、 解散までの短い時間に何人もが声をかけに来ますし、 連絡先を聞かれる場面も続きますので、そこで判断が要ります。
分ける軸はその場で決めなければならないことかどうかで、 礼を述べるのはその場でしかできませんが、 連絡先の扱いは、後から決め直せる話にあたります。
| 場面 | 主役がすること | 押さえておくこと |
|---|---|---|
| 記念品を受け取る | 両手で受け、その場で開けるかどうかは自分で決めます | 持ち帰ってから開けても、失礼にはあたりません |
| 幹事への礼 | 解散の前に、名前を呼んで直接礼を述べておきます | 会を組み立てた側は、いちばん手間をかけています |
| 声をかけに来た人へ | 短くても一人ずつ返し、そのまま話し込まないでおきます | 解散前は時間が限られ、待っている人が並びます |
| 連絡先を聞かれた | その場で決めきらず、あとで送ると返しても構いません | 断りにくい場面ですので、判断を後ろへ回せます |
| 写真を求められた | 応じても断ってもよく、無理に並ぶ必要はありません | 写真の使われ方まで、その場では決められません |
| 二次会に誘われた | 出ても断ってもよく、主役だから残る決まりはありません | 翌日も引き継ぎが残っている場合があります |
贈られて嬉しいものは、形に残らないものが上位を占めます。女の転職typeが働く女性554名に尋ねた調査では、送別の際に贈られて嬉しいものの1位が「ギフト券」で64.4パーセント、次いで花、食べ物・飲み物、日用雑貨と続きました。記念品のように形に残るものより、消耗品や普段使いできるものが選ばれています。「何もいらない」という回答も17.3パーセントありますので、金額を上げれば喜ばれるとは限りません(最終確認:2026年8月)。
幹事への礼だけは、解散してしまう前に直接述べておいてください。 会を組み立てた側は日程の調整から集金と精算までを一人で抱えていますし、 全体への挨拶とは別に、名前を呼んで一言かけるほうがはっきり伝わります。
連絡先の扱いのほうは、その場で決めきらなくて構いません。 断りにくい場面で判断を迫られる形になってしまいますので、 あとで送りますと返しておけば、落ち着いてから決められます。
送別会で主役が話す挨拶に、決まった型があるわけではありません。 在籍が8年でも1年でも組み立ては変わりませんし、 辞める理由を伏せたまま終えても、途中で言葉に詰まっても、 それで失敗になる場面はほとんどありません。
どの立場でも変わらないのは、覚えている場面を一つ挙げるという一点だけです。 その一つが入っていれば、送ってくれた人の記憶もそこで動きますので、 飾った言い回しを探すより、思い出せる出来事のほうを選んでおいてください。
よくある質問
送別会で主役が話す挨拶は、どのくらいの長さがよいですか。
1分半から2分、400字から500字ほどが目安です。主役の挨拶は会の終わり近くに置かれ、そのあとは記念品の贈呈と締めだけですので、この長さで切り上げれば会の流れは崩れません。
何を話せばよいですか。
礼から入り、在籍を一言、具体的な場面を一つ、これからのこと、残る人へ一言、礼で締めるという六つで組み立ててください。感謝の言葉だけを並べると誰の挨拶でも同じ内容になりますので、ある日の出来事を一つ挙げておいてください。
辞める理由は話すべきですか。
話さなくて構いません。一身上の都合とだけ述べ、中身は伏せて差し支えありません。Job総研が社会人386名に尋ねた調査でも、自身の送別会について「静かに区切りをつけたい」を43.2パーセントが挙げていました。
転職先を聞かれたら、答えるべきですか。
業種だけ答えるか、まだ言えないと述べても構いません。同業への転職では公にできない事情がありますし、会の席で述べたことは翌日には部署の外まで伝わっている場合があります。答え方を先に一つ決めておくと、その場で迷いません。
本意でない異動のときも、感謝を述べるのですか。
不満には触れず、礼と引き継ぎの話にとどめてください。その場で述べても状況が変わるわけではありませんし、送ってくれた人たちのあいだに気まずさだけが残る形になります。
途中で泣いてしまいそうです。
それで失敗にはなりません。同じ調査では自身の送別会について「目立つことが苦手」を41.3パーセントが挙げており、多くの人が同じところで身構えています。言葉に詰まったなら、そこで礼を述べて終えても差し支えありません。
記念品はその場で開けるべきですか。
両手で受け取り、開けるかどうかは自分で決めて構いません。持ち帰ってから開けても失礼にはあたりませんし、寄せ書きが入っている場合は落ち着いてから読むほうがゆっくり目を通せます。
まとめ
- 主役の挨拶は1分半から2分、400字から500字ほどで足ります
- 組み立ては礼・在籍・具体的な場面・これから・残る人へ・礼の六つになります
- 具体的な場面を一つ入れると、その場にいた人の記憶が動きます
- 辞める理由は一身上の都合とだけ述べ、中身は伏せて構いません
- 「静かに区切りをつけたい」を43.2パーセントが挙げています
- 異動なら引き継ぐ人の名前を、この場で挙げておきます
- 本意でない異動でも不満には触れず、礼と引き継ぎにとどめます
- 幹事への礼だけは、解散の前に名前を呼んで直接述べます
参考情報
- Job総研(パーソルキャリア)「2026年 送別会意識調査」(現在就業中の20〜50代の男女386名/2026年2月11日〜16日・インターネット調査)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000272.000013597.html - キャリアデザインセンター『女の転職type』データで知る「女性と仕事」第104回「歓送迎会について」(働く女性554名/2025年3月7日〜23日・Web調査)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000667.000012506.html - ホットペッパーグルメ外食総研「職場の飲み会に対する期待と参加実態を調査(2025年4月実施)」(首都圏・関西圏・東海圏の20〜69歳の就業者5,839人/2025年4月1日〜11日)
https://www.hotpepper.jp/ggs/research/article/column/20250529
挨拶の長さと組み立てに公的な基準はなく、広く共通して挙げられる目安をまとめています。文例はいずれも本記事のために書き起こしたもので、部署名・人名・年数・出来事は仮のものです。主役の意向に関する数字はJob総研(パーソルキャリア)「2026年 送別会意識調査」(現在就業中の20〜50代の男女386名/2026年2月11日〜16日)によります。自身の送別会を「開いてほしくない派」は53.4パーセントで、理由は「気を遣わせてしまうのが嫌」51.0パーセント、「静かに区切りをつけたい」43.2パーセント、「目立つことが苦手」41.3パーセントでした。贈られて嬉しいものはキャリアデザインセンター『女の転職type』(働く女性554名/2025年3月)によるもので、ギフト券が64.4パーセントで1位、「何もいらない」も17.3パーセントでした。(最終確認:2026年8月)
本記事で紹介している進め方や金額は一般的な目安です。歓送迎会に決まった型はなく、会社・部署・業種によって慣習が大きく異なります。前年までのやり方がある場合は、そちらに合わせるほうが角が立ちません。迷ったときは、前年の幹事か直属の上司に確かめてください。